色彩と住まい/色彩のはなし iro iro na iro いろいろ な 色 Basic Ⅰ 色彩 の 基礎知識 其の壱 いろいろ な 色 色 には 訳(わけ)がある。 |
>>>#01 | |||
はじめに ~ いろいろ な 赤 | ||||
>>>#02 | ||||
いろいろ な 赤 ~ ちょっと詳しく | ||||
>>>#03 |
||||
いろいろ な 赤 ~ もうちょっと詳しく 其の壱 |
||||
>>>#04 | ||||
いろいろ な 赤 ~ もうちょっと詳しく 其の弐 |
||||
>>>#05 | ||||
いろいろ な 色 ~ まとめ |
||||
>>>#06 | ||||
いろいろ な 色 ~ つづき |
||||
HOME <<< | >>> NEXT | |||
色彩と住まい/色彩のはなし | #01 | |||
いろいろ な 色 | ||||
はじめに ~ いろいろ な 赤 | ||||
![]() |
||||
色彩を学ぶ以前のお話 学生の頃 明治生まれの祖母とショッピングに出かけた際 おすすめしたカーディガン は こんなかんじ。祖母から「これ 赤いからイヤっ!」とお断りされた。 | ||||
![]() |
えっ? これって「茶色じゃないの?」 |
|||
もちろん 年齢も考慮して 落ち着いたデザインをおすすめしたつもりだった。しかし 祖母の「赤いからイヤっ!」は定番で よく聞いたものだ。彼女には 赤=派手過ぎる という意図 が あったようだ。 | ||||
![]() |
でも 「赤」って こんなかんじでしょ? |
|||
さて 時は流れて 外壁改修の現場でのこと 竣工写真では 青空に映えるブルーの家 という印象 に 見えるのだが 塗装色を検討している段階で 奥様が心配された。 | ||||
![]() |
心配そうに ひと言 「なんか 赤くないかしら?」 |
|||
現場一同 逆に心配になる。選んだのは ㈳日本塗料工業会 塗料用標準色 G 75-40L と いうペンキの色である。こんな時 は 色見本帖を開いて サンプル を 確認しよう。 | ||||
![]() |
色見本サンプル 近似色では こんなかんじ 「赤い」かなぁ? |
|||
実は 奥様の正解 とも 云える。塗装標準色より一般的な表示方法であるマンセル表記では 5PB4/6の近似色とされる。PB すなわち パープルブルー 青=ブルーといっても パープル=紫がかっている。つまり 赤味も含んでいる訳だ。 |
||||
「赤」 と 云っても 巾 が 広いのだ。その「巾」とは? 何者なのか? |
||||
私達のまわりは 色 色 色 いろいろな 色彩であふれている。そのなかでも「赤」は たいへん身近な色である。近しいところで云えば 「血の色」であり 我々人間というもの 緊張を強いられるように出来ている。「赤」は 誰しもが注意を払うような色であり 私達は「赤」という色 に たいへん敏感である。そして「赤」に限らず 色彩 は 特定の思い出やイメージと結びつき 私達の心理 に 影響を及ぼす。また 誰しもが受ける反射反応 の 効果で 時には 体調 にも 関わることもある。 |
||||
![]() |
黄色みを帯びて 暗め の … |
![]() |
![]() |
![]() |
おばあちゃん の 赤 | ||||
祖母のカーディガンも 茶=黄色みを帯びた暗めの「赤」が 生活経験を重ね 更に研ぎ澄まされたセンサーに触れたのであろう。 | ||||
![]() |
ひろく云えば あれも「赤 」これも「赤」 |
|||
桜色も 桃色も 栗色も イチゴも サンゴも サーモンも ワインも バラも みんな 赤。 | ||||
色のなまえ にも いろいろ ある。特に「赤」系では 花に由来する名称が多く 他に 植物・鉱物など 自然現象 また 染料から などなど。 これらの「なまえ」は 固有色名 とか 慣用色名 という「呼び名」で JISなどで規格が定められているのだが 一般的には 幅がある表現と捉えておいた方がよい。 | ||||
薔薇色だって ローズだって バラにも いろんな色の あるじゃない。 | ||||
もうすこし 好きな色 伝えたい色 を 絞って 表現できれば 使える色彩 の 世界も 広がって 深みを増すものであろう。 色彩を味方につけた空間づくり を 目指して いろいろな色 について これから お話を進めましょう。 | ||||
今回は ひとくちに「赤」と云っても いろいろな赤がある。いろいろな色がある と いうお話でした。 | ||||
BACK #01 <<< | >>> TOP | |||
色彩と住まい/色彩のはなし | #02 | |||
いろいろ な 色 | ||||
いろいろ な 赤 ~ ちょっと詳しく | ||||
![]() |
||||
黄色みを帯びる と | ||||
前回 ひとくちに「赤」と云っても いろいろな色が存在する というお話をした。今回は ちょっと詳しく その「赤」を変身させてみるとしよう。前回 さらっと「黄色みを帯びる」と 表現をしたのだが いかなることを指すのか? |
||||
![]() |
「赤」に ちょっと 黄色みを |
![]() |
わかりにくいかな もうすこし 黄色みを |
![]() |
と つづければ いわゆる オレンジ色 となる。オレンジ色から さらに 黄色みを帯びる と | ||||
![]() |
オレンジ色 さらに 黄色み を 帯びる と |
![]() |
![]() |
これは 黄色 イエロー もはや 赤 では ない。 |
![]() |
イエロー 黄色は 緑色 グリーン に |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
グリーン 緑色 は 青 ブルー に |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
ブルー 青 から 紫色 パープル に |
![]() |
![]() |
紫 パープル は 赤み を 含む でした ね |
![]() |
と すると パープル 紫色 が 赤みを帯びれば |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
と 赤 に 戻ってくる。こんなふうに ぐるぐるっと 色彩 の「 輪 」が出来る。 | |||
![]() |
||||
「色相環(しきそうかん)」 | ||||
このような 色彩 の「輪」を「色相環(しきそうかん)」と呼ぶ。「色相(しきそう)」とは 「色み」とも表現される。赤み● 黄色み●青み● など 色み の違い を「色相(しきそう)」「Hue(ヒュー)」と云う。一般的には「〇〇色み」という表現 で よいでしょう。 | ||||
紫色み●を少し帯びた赤● の ような ぐあい に | ||||
お好きな「色み」は どれですか? 個人的には 赤というより黄色に近いオレンジ色 ●●●が 好きで いつも周りにあるのですが 実は 青みがかった緑 ブルーグリーン●●●が マイブーム なんです。というように ちょっと詳しく 色み と 自分探し を追求すると 意外と 好みは ピンポイントであったり 微妙に ゆらめいていたり
するものです。 |
||||
今回は いろいろな 色み がある。「色相(しきそう)」 Hue(ヒュー)と 表現される。 と いうお話でした。 | ||||
BACK #02 <<< | >>> TOP | |||
色彩と住まい/色彩のはなし | #03 | |||
いろいろ な 色 | ||||
いろいろ な 赤 もうちょっと詳しく 其の壱 |
||||
![]() |
||||
「明るい」「 暗い」 | ||||
前回は いろいろな「色み」 のお話をした。赤●が 変身すると 黄色み●を帯びて オレンジ● に 紫色●に近づいて● さらに 青 ●と なる と いうぐあいに。さて その赤●は 明るくなったり 暗くなったり することでも 変身する。 |
||||
色の 明るい 暗い の度合いを「明度(めいど)」 と 云う。明度が高い=明るい。明度が低い=暗い。と 表現する。「白」は もっとも 明度が 高く。「黒」は もっとも 明度 が 低い。「赤」だって 明度の高低 が ある。赤 だって 暗くなる。明るく も なる。 |
||||
![]() |
赤 だって 暗くなる。 |
![]() |
![]() |
![]() |
ちょっと 暗く。 |
もっと 暗く。 | 黒 では ない。 暗い 赤 である。 |
||
明るく も なる。 | ![]() |
![]() |
||
もっと 明るくなると 白っぽくなる。 |
||||
色の 明度 を 高→低 で 並べてみる。 左に 行くほど 「明るく」 右 に 行くほど 「暗く」してみる。 | ||||
![]() |
||||
![]() |
||||
赤 だって 左に 行くほど 「明るく」 右 に 行くほど 「暗く」 なる。 赤 だって もっとも 暗くなれば「黒」になり もっとも 明るくなれば「白」になる。 |
||||
![]() |
||||
赤の お隣り 少し紫色み の色 だって 「明るく」「暗く」 | ||||
![]() |
||||
青 ブルー を「明るく」「暗く」 | ||||
赤 だって 青 だって もっとも 暗くなれば「黒」になり もっとも 明るくなれば「白」になる。 |
||||
今回 は 色には 「明るい」「暗い」という要素がある。と 云う お話でした。いろいろな 赤 もうちょっと詳しく は もう ちょっと 続きます。 |
||||
BACK #05 <<< | >>> TOP | |||
色彩と住まい/色彩のはなし | #04 | |||
いろいろ な 色 | ||||
いろいろ な 赤 もう ちょっと 詳しく 其の弐 |
||||
![]() |
||||
あざやかさ 色 が 褪せる って | ||||
前回 色には 「明るい」「暗い」という要素がある と云う話をした。その他 に「色褪せる」と いう 表現がある。くすむ とか 色が抜ける とか 色みが薄くなる とか とも云える。あざやか で なくなる。 |
||||
![]() |
あざやかな 赤 色 褪せる と |
![]() |
![]() |
![]() |
すこし 褪せて。 |
もうすこし 褪せて。 | 色み が抜けると グレーっぽくなる。 |
||
「明度」と同じく 「あざやかさ」にも強弱がある。「彩度(さいど)」Saturation/Chroma(クロマ)と呼ばれる。 その色相の中で もっとも 彩度 が 高い色を「純色」など と 表現する。もっとも その 色み っぽい色 ということだ。一方 彩度 が 低くなると グレー に 近く見えてくる。 彩度=0 では 白 黒 グレー の「無彩色」となる。無彩色=彩(いろどり)の無い状態の色 は 「明度」によって 白だったり グレーだったり 黒だったり となる。これは 前回の おさらい。今回は あざやかさ 「彩度」 色み の強弱 に注目する。 |
||||
あざやかさ を 強→弱 で 並べてみる。彩度の高い 「純色」 から 右 に 彩度が低く 「無彩色」に近づく。 | ||||
![]() |
||||
あざやかな 赤 から 色 褪せる と 彩度が低く あざやか で なくなれば グレーっぽくなる。 | ||||
![]() |
||||
色み の違う「純色」でも 彩度を下げていくと グレーに近づく。 | ||||
![]() |
||||
赤紫 ショッキングピンク も 色み が 抜ければ ショックでもなくなる。 | ||||
![]() |
||||
今回は 色 の あざやかさ にも 強弱によって 変化がある。と 云う お話 で「彩度(さいど)」と いう 尺度 を ご紹介しました。「いろいろな 赤」 ~ もうちょっと詳しく は 次回 まとめます。 |
||||
BACK #04 <<< | >>> TOP | |||
色彩と住まい/色彩のはなし | #05 | |||
いろいろ な 色 | ||||
いろいろ な 色 ~ まとめ | ||||
![]() |
||||
色彩の3要素 | ||||
ここまでのお話で 「赤」 を例として 色には 色みの違い「色相(しきそう)」 明るさ 暗さ 「明度(めいど)」 あざやかさ
色味の強弱「彩度(さいど)」の 3つの面 があること を 見てきた。この3つは「色の三属性」や「色の三要素」と呼ばれている。呼称は ともかく
「色は 3つの要素を持っている」 ことを 意識してみると 色彩は わかりやすく また 使いやすいものになる。 |
||||
![]() |
「色の三属性」「色の三要素」 「色相(しきそう)」 Hue(ヒュー) 色み の 違い |
|||
![]() |
「明度(めいど)」 Lightness/Value(バリュー) 明るい 暗い |
|||
![]() |
「彩度(さいど)」 Saturation/Chroma(クロマ) あざやかさ 色み の 強弱 |
|||
以上の3つを組み合わせて 微妙な色も 表現できる。たとえば 「おばあちゃんの赤」 も | ||||
![]() |
黄色みがかった赤 暗め で 色みは あまり強くない |
![]() |
JIS マンセル表色系 5PB4/6 色相 5PB 青紫(5はPBの代表色相を示す) 明度 (1~9.5のうち)4 彩度 (0~14 5PBでは10まで)6 |
|
呼称は ともかく 色には 3つの要素 がある ことが 意識できれば よい。何故なら 住まい に 限らず 色は ひとつだけで存在することはない。常に 組み合わせて 考えていかなくてはならない。その 組み合わせの際に この 3つの要素 が ヒント と なってくる。 |
||||
色相(しきそう) 色みの違い 明度(めいど) 明るい 暗い 彩度(さいど) あざやかさ 色みの強弱 |
||||
今回まで 色には 3つの要素 がある というお話 でした。いろいろな「赤」のお話 は ひとまず これで まとめ です。ひとつの色 だけ について から 組み合わせていく 前に もうすこし 色彩の特性 見え方 を お話ししていきます。 |
||||
BACK #05 <<< | >>> TOP | |||
色彩と住まい/色彩のはなし | #06 | |||
いろいろ な 色 | ||||
いろいろ な 色 ~ つづき | ||||
![]() |
||||
いろいろ な 色 には 訳(わけ)がある | ||||
ここまで の お話 で 色の3つの要素を 紹介した。この3つを組み合わせて 色のグループ分けをしてみる。まずは 代表的な7つの色み(色相) を サンプル例 に あげて 見てみる。 | ||||
はじめに 「純色」とも表現される もっとも その色らしい 色 その名前ズバリ の 色 。 代表的な7つの色み(色相)は こちら。 |
||||
![]() |
ビビッドトーン Vivid Tone さえた 鮮やかな 派手な 目立つ イキイキとした 印象 |
|||
これら の 色 は 明度 も 彩度 も 高い。「ビビットトーン」と分類される色である。 高明度 高彩度 では どの色相(色み)でも さえた 鮮やかな 印象 を持つ。目立つ イキイキ と したイメージ が ある。 |
||||
では「純色」から 色相(色み) は そのまま 明度すこし低く 暗め 彩度 を 低く 色みを弱く してみよう。 鮮やか から くすんだ ような色になる。 |
||||
![]() |
ダルトーン Dull Tone 鈍い くすんだ印象 これは いまいち な 色 って云われそう |
|||
次に「純色」から 色相(色み) は そのまま 明度 もっと 高く 明るく 彩度 を 低く 色みを弱く してみよう。 すると 同じ色相(色み)でも 印象 は 変わってくる。 |
||||
![]() |
高明度 明るく 低彩度 色み は 弱く「うすい色」 ペールトーン Pale Tone 薄い 軽い 弱い あっさり 淡い 女性的 優しい かわいい 印象 砂糖菓子のような メレンゲな気分 かな |
|||
これら 色相(色み)の配置 は そのまま で 明度 と 彩度 の組み合わせ を 変えることで 色から受ける印象 は 違ってくる。その いくつか 代表的な組み合わせのグループ を「色調(トーン Tone)」と 呼んで 分類している。どの色相(色み) でも 同じトーンの色 は 共通 の イメージ 印象 を受けるものである。 | ||||
「色調(トーン Tone)」 | ||||
明度を下げ 暗く 低彩度 色み は 弱く では こんなかんじ | ||||
ライトグレイッシュトーン Light Grayish Tone 明るいグレーみ の おとなしい 印象 北欧風の雑貨屋さん に ありそう |
![]() |
|||
さらに 明度を下げ 暗く「おとなしい」から「地味」になる。 | ||||
グレイッシュトーン Grayish Tone グレーみ の 濁ったかんじ 地味な印象 こだわりの珈琲が美味しい店 って かんじ |
![]() |
|||
![]() |
「地味」から 重く 硬い 男性的な印象に カフェ というより バー 低明度 暗く 低彩度 色み は ほんのすこし 暗いグレーみ の ダークグレイッシュトーン Dark Grayish Tone |
|||
今度は 「純色」より さらに 明度を上げ 明るく 色み は 少し おさえめに。「明るい色」のグループ | ||||
ブライトトーン Bright Tone 明るい 健康的な はなやかな 印象 |
![]() |
|||
さらに 明度を上げ 明るく 色み を 少し おさえて 「浅い色」 と表現される。 | ||||
ライトトーン Light Tone 浅い 澄んだ さわやかな 子どもっぽい 楽しい 印象 |
![]() |
|||
おおまかに まとめる と こんなかんじ。上に行くほど 高明度 明るく 下に行くほど 低明度 暗く。右に行くほど 高彩度 色みを強く あざやか に と 並べてみる。 |
||||
![]() |
||||
上に行くほど 明るく 右に行くほど 色みが強く 「トーン(色調)」のイメージを並べてみた。 | ||||
明度 明るい暗い と 彩度 色みの強弱 あざやかさ の 組み合わせ で 色の印象 イメージ は変わる。 組み合わせ は「トーン(色調)」と呼ばれ 分類している。 色み(色相)は違っても同じ「トーン(色調)」では共通のイメージ 印象を受けるものである。 |
||||
トーンの名称 や 細かい分け方 共通の印象 など は いろいろと 規格やら基準があるのだが 資格試験とか お勉強ではないので 重要ではない と 思ってほしい。色の感じ方 イメージの捉え方 は ひとそれぞれ であり 自由に楽しんでもらいたい。明度 明るさ と彩度 色みの強弱 の組み合わせによって 共通のイメージ を持つのだ と いうことだけ で充分である。逆に 色から受ける印象 イメージ は 色の明度 明るさ 彩度 あざやかさ に 関係している ということを 心にとめておきましょう。 |
||||
今回は 色の3属性~色相 明度 彩度 のまとめ から 組み合わせて「トーン(色調)」という分類 を ご紹介しました。色から受ける印象
イメージ に関連していることにも触れました。あながち 気のせいじゃない 色彩には イメージには 「訳(わけ)がある」のです。 |
||||
以上 いろいろな色/色彩のはなし 基礎知識 編 其の壱 でした。 |
||||
BACK #06 <<< | >>> TOP | |||
色彩と住まい/色彩のはなし | 基礎知識 編 | |||
いろいろ な 色 | ||||
SHIBUYA Kazumi @ Office Poco庵 | To be continue | >>> NEXT | ||